2008年6月9日

報道への違和感

まずは被害者のご冥福をお祈りいたします。

秋葉原での事件に関するNHKの報道に違和感を感じた。「犯人は犯行までの出来事を、インターネットの掲示板に頻繁に書込んでいた」という事実に対して「信じられません」とのコメント。冷静に考えてみると何が信じられないのかイマイチ分からない。
実際のところ、出来事を記録する手段が、たまたまネットの掲示板だっただけの話。例えば、日記などの紙媒体に書いて残すのと何ら変わりない。インターネット上なため即時性があり実況みたいなことが可能だった、というだけの話。
このコメントからアナウンサーの頭の中のロジックが透けて見える。

#1 インターネットの掲示板がキッカケで起こっている事件がある
#2 インターネットの掲示板は社会に悪影響を与える
#3 インターネットの掲示板は悪の巣窟だ
#4 インターネットの掲示板に書き込む人間は悪だ
#5 悪人のやることは分からないし「信じられない」

インターネットの即時性を理解することなく判断を下している。先入観が先行し、思考が停止している。悲劇が繰り返されないように、まずは現状を正確に把握することが望まれる。